骨の細胞

糖尿病の人は骨折しやすく、その頻度はそうでない人の2~4倍といわれています。

それには、インスリンの不足にも加え、いろいろな原因が関係しているといわれています。

骨の細胞には、3種類の細胞があります。

骨が新しく作られる「骨芽(コツガ)細胞」、骨自体を維持する「骨(コツ)細胞」、骨を壊す「破骨(ハコツ)細胞」です。

骨が古くなると、破骨細胞が破壊(吸収)し、骨の成分であるカルシウムやコラーゲンを血液中に溶かし出します。

すると骨芽細胞が集まってきて、コラーゲンを分泌し、それにカルシウムを主成分とする骨塩(コツエン)が沈着して新しい骨が作られます。

そして、骨の強度が保たれるのですが、この流れを「骨代謝回転」といいます。

骨は姿勢を維持し、身体の内部を守っていますが、同時にカルシウムを蓄える役目があります。

体内のカルシウムの 99%は骨にあって、残りの1%が血液や筋肉などにあるに過ぎません。

しかし、全身細胞がちゃんと働くためにはカルシウムは不可欠で、血液中には常に一定量が保たれていることが必要です。
カルシウムの摂取不足などで血液中のカルシウム濃度が低下すると、破骨細胞は、それを補うために骨を破壊して血液中へカルシウムを溶かします。
それによって血液中のカルシウム濃度は保持されますが、破壊された骨は、再形成が十分に行われません。
「骨粗しょう症」は、老化やカルシウム不足などから骨代謝のバランスが崩れ、骨形成よりも骨吸収がどんどん進み、骨の内部がスカスカになる病気です。
老化によって誰でも骨はもろくなりますが、糖尿病の人は骨量が減少しやすいので、「骨粗しょう症」にもなりやすいのです。
骨芽細胞にはインスリン受容体があり、骨芽細胞を増殖させる作用がありますが、インスリンが足りないと骨芽細胞は増えないので、骨形成が低下します。
実際に糖尿病の人は、骨代謝マーカーのオステオカルシンの低下が確認され、骨量減少が起きていることがわかります。
また、高血糖になると尿が多くなり、カルシウム・マグネシウムが排泄されやすくなり、骨形成が低下します。
さらに、活性型ビタミンDが足りずに、カルシウムが腸から吸収されにくいという現象もあります。
高血糖状態で蛋白質の糖化が起き、それによって正常なコラーゲンが減って、骨がもろくなるということもあります。
ですから、検査で骨量の減少を指摘されたら、食事や運動で骨量を減らさないようにしていきましょう。
そして、高血糖状態によって血流が悪くなると、虫歯や歯周病、味覚異常、舌や口内の粘膜が荒れるなどのトラブルが起こりやすくなります。
日頃から気をつけて、血糖のコントロールに加えて、いろんなトラブル防止のケアを行いましょう。