網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病になって血糖コントロールを十分しないままでいると、8年~10年のうちにジワジワと発症します。
初期には自覚症状が少ないので、精密眼底検査を習慣づけましょう。
早期発見であればあるほど、治療の成功率が高いものです。
糖尿病の目の病気は、「網膜症」のほか、「白内障」「血管新生緑内障」などがあります。
網膜症とは、カメラのフィルムの役目をする網膜が損傷した結果、起こります。
網膜は、光や色を感じて脳に伝達する役割がありますが、そこには細かい血管が無数に広がっています。
糖尿病では、血液の粘性が強いため、この血管をつまらせたり、血管壁に負担をかけたり、細小血管症を起こします。
そのため、網膜の酸素や栄養が不足して、眼底出血や硝子体出血などの網膜症が起こります。
網膜症は進行にしたがって、「単純網膜症」「前増殖網膜症」「増殖網膜症」の3段階に分けられます。
糖尿病による「白内障」は、カメラのレンズである水晶体に糖分が蓄積され、白く濁ってしまうものです。
多くは水晶体を取り出して、プラスチック製の眼内レンズを入れると良くなりますが、重症の場合は、この手術さえできないこともあります。
「血管新生緑内障」は、カメラの絞りにあたる「虹彩」の周りには目の潤滑のため水が流れる構造になっていますが、ここに新生血管ができます。
糖尿病網膜症が重症になると、この新生血管のために隅角がつまり、そのために目の中の眼圧が高くなります。
そして、視神経の圧迫で視力が低下し、ついには失明してしまいます。
「単純網膜症」の段階ならば、血糖コントロールを上手に保てば、自然に治っていきます。
しかし、「前増殖網膜症」の段階では「レーザー光凝固術」、「増殖網膜症」では「硝子体手術」といった外科的手術が必要になります。
現在では、レーザー光凝固術など治療が進歩しましたが、それでも予防の鍵になるのは「血糖コントロール」です。
良好な血糖コントロールを目指して、食事療法や運動療法をねばり強く行った人は、網膜症が発病しにくく、進行もしにくいことがわかっています。
糖尿病網膜症にならないように、日頃から気をつけることが、最も重要なことです。