糖尿病性腎症

腎臓は体内の老化物をろ過し、尿として排泄する重要な機能をもっています。

糸球体という細小血管塊が集まった組織で、それが左右の腎臓のなかに100万個ずつもあります。

血液が運んできた体内の老化物を、この糸球体の1つずつでろ過するのです。

糖尿病性腎症は、この細小血管が狭くなり、老廃物を充分にろ過できないために起こります。

そして、高血糖・肥満・高タンパク・高食塩・ストレスなどの悪い因子が加わると、進行に拍車がかかると言われています。

早期の腎症を発見するためには、微量アルブミン検査が有効で、これは微量のタンパク(アルブミン)を感度よい方法で尿から検出する新しい検査方法です。

糖尿病の人は、血糖コントロールが良好の人でも、予防の意味で年1回は、微量アルブミン尿の検査を受けるようにしましょう。

腎症は、5つの段階があり、それぞれ症状と治療のポイントが違います。

「正常期」は、臨床的症状なしで、治療の目的=予防です。

「微量アルブミン尿期(早期腎症) 」は、微量アルブミン尿検査が陽性で、治療の目的=進行を抑制します。

この時期から血圧の上昇が見られるので、厳格な血糖コントロールと血圧の管理が行われます。

「顕性腎症期」は、タンパク尿が陽性で、治療の目的=進行を遅らせます。

腎機能が悪くなり、むくみが出てくるので、血糖と血圧の管理に加え、腎症の治療に重点を置いた食事療法の切り替えが行われます。

「腎不全期」は、「尿毒症」や「貧血」など、いろんな腎症の症状が出てくるので、治療の目的=症状を抑えます。

それまでの治療・管理に加えて、水分制限と経口剤(SU剤)からインスリン療法への切り替えを行います。

「透析期」は、透析を開始します。

透析は90%が「血液透析」で、その他に「腹膜透析(CAPD)」というものがあります。

血液透析は週に3回、病院で4~5時間をかけて行われます。

末期腎不全では、透析療法のほかに「腎移植」がありますが、日本では糖尿病性腎症による腎移植はあまり行われていません。
糖尿病による腎臓障害を予防するには、血糖コントロールをよくし、定期的に尿検査を受け、腎臓にやさしい生活をすることが重要です。